エスパドリーユの由来

 ワークシューズといえば、堅牢で無骨なブーツとの印象があります。ところが印象の対極にあるかのようなリゾートシューズのエスパドリーユが、実は元来がワークシューズだと聞けば意外に思う人も少ないのではないでしょうか?
 エスパドルと呼ばれるイネ科の植物の名が由来とされるエスパドリーユは、ジュートソール(別名ロープソール)を備えたキャンパスアッパー製の履き物でアルパルハータなる靴とは同種とされています。この種の靴はスペイン東北部からフランス東部にあたるバスク地方で古くから船乗りや港湾労働者、農民らが履いていた作業靴を起源としています。それがリゾートシューズとして認知されたのは、1923年南仏コードジュールに滞在していた、あるアメリカ人が船乗り向けの衣料品でのそのユニークな作業靴を発見しリゾートスタイルに取り入れたことがきっかけとなり、1930年代に欧米の各リゾート地で大流行したからです。
 エスパドリーユの最大の特徴といえばやはりジュートソールです。これは、ジュート(黄麻)をループ状に編んで作られたソールで水気を通すうえに渇きやすく、濡れたデッキでも滑りにくいことから船乗りたちに愛用されたものと思われます。しかも、アッパーはスエード製などもありますが、元来はコットンキャンパス製。素足履きやステップイン(踵を踏んで履くこと)に対応すべく、ライニングやヒールカウンターが廃されているのも特徴です。
 エスパドリーユの代表的なメーカーといえば、スペインはカスタニエールです。同社を営むカスタニエール家のエスパドリーユ作りの歴史は古く、それは18世紀にさかのぼること。また、メーカーとしての本格的なスタートは1927年で、ルイス・カスタニエール氏と彼の従兄トーマス・スクラ氏が小さな工房を開いたことがきっかけでした。1936年に勃発したスペイン内戦では、共和軍にエスパドリーユを供給。また、1960年代にはイブ・サン=ローラン氏の目にとまったことがきっかけで、世界初のウエッジソール付きのエスパドリーユを製作しています。以後、クリスチャン・ディオール、エルメス、ルイ・ヴィトン、ラルフ・ローレンなど名だたるブランドの製品も手掛けています。
 この数年、春夏のカジュアルはデッキシューズやスニーカーなどが勢力を占めていますが、エスパドリーユも一定の愛好者がいるのも上記のような由来があるからでしょうか?

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<2021年の秋頃からはレザースニーカーも取り扱いたいですがコロナ次第です>

【出典:世界文化社 靴を読むより】

【令和2年12月6日】
 

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