〜Clarksクラークス(イギリス)編〜カジュアルシューズの原点を創ったブランド

<カジュアルシューズ>という概念を創ったブランドであるクラークス。それは、四代目当主、ネーサン・クラークの粘りがあったこそ可能になった偉業だった。
 永遠のロングセラーであるデザートブーツが開発されたのは、靴といえばドレスシューズか軍靴、あるいは作業靴しかない1950年のことだ。ネーサンが駐屯先のビルマ(現ミャンマー)でインスパイアされたその靴は、当初キリ物扱いされた。
 商品化に際し社内からは当然反対の声がある。その反対を押し切って販売を開始したものの、やはりイギリス本国での評判は芳しくない。だがネーサンは諦めなかった。彼は単身アメリカのショーに乗り込んだのである。戦後ライフスタイルのカジュアル化を牽引したアメリカ。ようやくその斬新さは理解させ一気に広まった。
 クラークスは現在、イギリス国内におよそ600の直営店をもち、子ども靴のシェアは50%を誇るという。
 以外な事実かもしれないがそのような背景があってデザートブーツは生まれた。なぜならネーサンを突き動かしたのはあくまで日常靴の観点に立ち履きよい靴をつくった自信だけだったからだ。そしてそれこそがカジュアルシューズの原点である。
 後世の評価は、だから彼にとって意外なことに違いない。信念を貫いたからこそそのスタイルの創造。時代が追いついたというべきか。

ネーサンは滅茶苦茶メンタルが強いな!見習います(笑)

平凡社 紳士靴図鑑ベスト50ブランドより

【令和2年11月26日】

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